イメージとは違う、シリコンバレーの姿
「シリコンバレー」と聞いて、どんなイメージを持つだろうか?高層ビル郡、産学官が連携した広大な研究エリア、洒落たレストラン街。
だが実際は、まったく違う。ザックリとした表現をすれば、「古めかしい」。
北カリフォルニアのサンノゼ市、その北部周辺をシリコンバレーと呼ぶが、このあたりは1960年代~1980年代に開拓が進んだエリア。そうした「ひと昔前の街並み」のなかに、新興企業が点在している。そのため、高層ビル郡はカリフォルニア湾のすぐ近くに、「オラクル」などいくつかある程度で、けっして乱立してはいない。
また、シリコンバレーの中核をなす大学としては、スタンフォードがある。だが同校の敷地はけっして広大という規模でもなく、一般的なサイズ。構内の雰囲気も、産学官連携の最新鋭施設が目白押しと感じでもない。
そして、レストランやファッションなど、消費者カルチャーの発信拠点も、シリコンバレーでは目立たない。ロサンゼルス等と同様、老朽化した建物を改装したメキシカン料理店を数多く目にする。
北カリフォルニアの風土と社会基盤として、地域社会の持続性を大切にする。住民たちも、どこか「落ち着いている」感じがある。派手好きの南カリフォルニアとは対称的だ。これは、街を走っているクルマでも感じられる。南カリフォルニアならば、ベントレー、マセラッティ、フェラーリなど、ファンシーなヨーロピアン・ハイブランドがチラホラ。
さらに、レクサス、インフィニティ、アキュラ、メルセデス、BMW、アウディ、キャデラックなどをステイタスシンボルに。さらに、アメリカンSUVたちが大手を振って闊歩している。それが、シリコンバレー周辺の北カリフォルニアでは、80~90年代のクルマを大切に使う人が多く、最新型ファンシーカーは目立たない。
そんなシリコンバレーで最近、大きな動きがある。
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