ヘリテージを感じる東田地区
小倉からほど近い、北九州市八幡東区東田地区。JRスペースワールド駅を下車すると、そこは水素の街である。 またここは、言わずと知れた官営八幡製鉄所の発祥地。文明開化の頃、「鉄は国家なり」と日本の産業革命が起こった。当時、鋳造、鍛造、精錬等、金属加工の分野で最先端の技術が次々と生まれていた。
元々小倉は大陸貿易の拠点として栄えた産業港。そこに工業のテクノロジーが加わり、日本を牽引する近未来型都市として成長していった。だが第二次世界大戦後、工場からの噴煙による大気汚染等で公害問題が深刻化。不幸にも、北九州は公害の街としてのイメージが定着してしまった。だが地元住民を中核とした、脱公害都市の運動が奏功し、いまでは「公害の街から立ち直ったスマートシティ」として世界に名を轟かせている。この地で、水素に関する実証試験がいまから5年前に始まった。
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