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トヨタ「センチュリー」の新モデル PHEVとして発表

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トヨタは9月6日、「センチュリー」の新型モデルを追加したと発表した。これに伴い、都内で記者発表会を実施した。

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SUVのようなイメージを持つ新モデル センチュリー(筆者撮影)

「ショーファーカー群」という発想

センチュリーといえば、専属運転手が常時運転し利用者は後席に座る、いわゆるショーファーカーとして知られている。

主な利用者は、地方自治体の首長や、企業の経営者といったイメージが強く、一般の自動車ユーザーにとっては「遠い存在」といったところだ。

ところが、今回登場したのは、SUVのような外観をしており、旧来のセンチュリーのイメージとは大きく違う。

ボディ寸法は、全長5205mm×全幅1990mm×全高1805mm、ホイールベースが2950mm。車両重量は2570kgで定員は4人。

発表の席で報道陣が驚いたのは、こうした外観デザインについてではなく、旧来型のセダン・センチュリーも今後、継続して製造・販売されるという点だ。つまり、新モデルと旧来型モデルでは、ターゲットユーザーが違うのだ。

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新モデルセンチュリーの前席(筆者撮影)

富裕層向けや公用車のニーズは近年多様化

海外のショーファーカー市場をみてみると、ショーファーカーの大御所である英国ロールスロイスも、SUVのような形状をした「カリナン」を発売中だ。これは、ベントレー「ベンティガ」という成功事例の影響が考えられる。

そうした世の中の流れから、トヨタもセンチュリーをSUVのような形状にするのでは、という噂は以前からあった。

だが、そうした予想を誌面で展開していた自動車専門誌の編集者も「まさか、これだけ早いタイミングで、しかもセダンを継続する形で登場するとは!」とセンチュリー新モデル発表の場で驚いていたほど、トヨタの市場変化への対応はスピーディーだといえるだろう。

さらに今回、報道陣が驚いたのは、発表会の壇上に、新モデル・センチュリーとセダン・センチュリーのほか、新型「ヴェルファイア」と近く発売予定の「クラウンセダン」が並んだことだ。

トヨタはこれらを「ショーファーカー群」と呼んでいる。富裕層向けや公用車のニーズは近年、多様化しており、ショーファーカーを自ら運転するドライバーカーとして扱うケースも少なくない。そのうえで、トヨタとしてはショーファーカーに対する選択肢を広げる事業戦略を打って出たのだ。

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旧来のセダン型も継続して製造・発売する(筆者撮影)

価格は2500万円

新モデルセンチュリーのプラットフォームはGA-Kを使う。TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の一種であり、基本構造はFF(前輪駆動車)となる。パワートレーンは、3.5リットルV型6気筒エンジンのシリーズパラレル・プラグインハイブリッドシステム。後輪をモーター駆動するE-Four Advancedを採用している。

生産台数は月30台で、国内のみならずグローバル市場向けに対応する。価格は2500万円。ただし、ほとんどのユーザーは「吊るし」の状態ではなく、カスタマイズを要望することが考えられるため、実際の価格はさらに高くなる可能性がある。

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