ソニーグループ(以下、ソニー)と本田技術研究所(ホンダ)は都内で2022年10月13日、新会社ソニー・ホンダモビリティ株式会社の設立発表会見を行った。
設立までの経緯は、同年3月4日に両社はモビリティ分野における戦略的提携に向けた基本合意をし、同年6月16日にはソニー・ホンダモビリティ株式会社の設立に関する合弁契約を締結していた。

自動車産業は2010年代後半以降、「100年に一度の転換期」といわれている。
背景には、CASE(通信によるコネクテッド、自動運転、シェアリングなどの新サービス分野、電動化)によってクルマ造りに対する考え方が大きく変わってきたという産業構造の変化がある。
その影響により、たとえば日産はルノー・日産・三菱自動車工業によるアライアンスを強化したり、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービル)とPSA(プジョー・シトロエン)が融合したステランティスが誕生するなど、自動車メーカー間での事業の『選択と集中』が盛んになってきている。またいわゆる異業種連携として、自動車メーカー、自動車部品メーカー、IT関連企業などが連携する事例は少なくないが、ソニーとホンダのような日系大手での異業種間で合弁事業を立ち上げたケースは珍しい。
ソニー・ホンダモビリティは今回の会見で、経営の方向性と存在意義を示した。
「Mobility Tech Company」を目指都の方向で、「多様な知で革新を追求し、人を動かす」という企業パーパス(存在意義)を掲げた。そのうえで、現時点で具体化している事業は、2025年前半から先行受注予定の、高付加価値BEV(電気自動車)のオンライン販売だ。2026年春から北米を皮切りに、日本や欧州でもデリバリーを始める計画である。
そのほか、クラウドで提供するサービスと車内エンターテインメントの融合などについても触れたが、具体的なサービス内容について公開されなかった。
今後、段階的に各種技術やサービス提供について明らかにするとしており、ソニー・ホンダモビリティの実像が徐々に見えてくることを期待したい。
