日産自動車は4月、横浜工場で全固体電池の生産パイロットラインを公開した。次世代EVの主力技術として注目される全個体電池の今後の量産計画や市場に及ぼす影響について、自動車ジャーナリストの桃田 健史氏にレポートしてもらった。(バックナンバーはこちら)
日産自動車(以下、日産)は4月16日、横浜工場(横浜市神奈川区)で全固体電池の生産パイロットラインを報道陣に初公開した。同工場は、日産創世期の主力生産拠点であり、現在はエンジンなどの部品製造や加工を行っている。また、工場敷地内にはエンジンや電動パワートレインを主体とする博物館も併設されている。
熱耐久性があり安全性が高い全固体電池
全固体電池は、次世代EVの主力技術として、自動車メーカー各社が2000年代から大学などの機関と共同で基礎的な分野での知見を深めてきた。それが2010年代後半になると、欧州、中国、アメリカなどでの大型投資を呼び込むことを念頭に置いた、環境関連規制の強化により、EV事業に対する投資が一気に盛んになった。