2013年3月18日、大手新聞は一斉に「ホンダが2015年、F1に復帰することが分かった」と報じた。しかしこれは、ホンダ側が記者会見やプレスリリースを出しているワケではない。ホンダ関係者の証言、として報じられたものだ。
この「F1復帰」の噂は昨年後半から、自動車産業界では囁かれていた。だがこれまで、同社の伊東孝紳社長はことある毎に、「F1ね、そういうモノも、あるなぁ」と報道陣の質問をはぐらかしてきた。
本稿執筆時点では、まだ「ホンダF1復帰」はオフィシャルではない。だが、半ばリークに近い状態でこれほど広く報道されてしまっており、「ほぼ事実」と見て良さそうだ。
こうした状況を踏まえた上で、ではどうしていま、ホンダはF1に復帰する必要があるのか?
2014年にF1エンジンレギュレーションが変更され、2.4リッターV型8気筒から1.6リッターV型6気筒に移行。そのため、ホンダのエコカー開発に役立つ。そうした報道もあるが、それはホンダF1復帰の理由の、ほんの「ひとかけら」に過ぎない。復帰の本当の理由は、他にある。
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