開催直前、大阪万博の見どころを総チェック!

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「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げる日本国際博覧会(大阪・関西万博)が2025年4月13日〜10月13日の半年間、大阪の夢ゆめしま洲で開かれる。会期中は持続可能社会や循環経済などに関する国内外のパビリオン、イベントを多数用意。前評判の低さを覆し、万博を成功に導けるかが注目される。

テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」

万博には「いのち輝く未来社会のデザイン」という主要テーマのほか、「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」という3つのサブテーマがある。これらのテーマをもとに万博会場を「未来社会の実験場」とし、世界の人々とアイデアを交換しながら、未来社会を「共創」することをコンセプトとしている。

万博でこうしたテーマを掲げた理由について、「いのちそのものを改編するまでの高度な科学を築き上げた私たちには、人類が生態系全体の一部であることを真伨に受けとめるとともに、自らが生み出した科学技術を用いて未来を切り開く責務があることを自覚し、行動することが求められる」とし、これまでの科学技術の発展の裏で、自然・環境破壊が行われてきたことを教訓に、持続可能な未来を切り開くことの重要性を強調した。

写真左:大阪・関西万博の会場イメージ(出所:大阪・関西万博) 写真中央:プロデューサーの宮田裕章氏
大阪・関西万博の会場イメージ(出所:2025年日本国際博覧会協会)

8人のプロデューサー「いのち」テーマにパビリオン

こうした万博のテーマを体現するため、進めているプロジェクトが「シグネチャーパビリオン」。データサイエンティストの宮田裕章、映画作家の河瀨直美、メディアアーティストの落合陽一、アニメーション監督の河森正治ら8人のプロデューサーが「いのち」をテーマにパビリオンを準備している。

(左)プロデューサーの宮田 裕章氏/(右)河森 正治氏(出所:2025年日本国際博覧会協会)

日本館、「循環」の考え方や価値伝える

万博の展示のうち、中核施設の一つとなる「日本館」は開催国である日本のプレゼンテーション拠点であり、人間や地球・自然が共存する上で重要な「循環」の考え方や価値を伝える。日本館のオフィシャルパートナーには、東レや帝人フロンティア、TOTOなどが名を連ねている。

海外では150以上の国・地域とEUなど7国際機関が万博に参加。米国、中国、サウジアラビア、フランス、ドイツなどがパビリオンを出展する。

独パビリオンの完成予想図(出所:2025年日本国際博覧会協会)

NTT次世代空間伝送技術を紹介

日本の民間企業・団体では、次世代情報通信基盤による空間伝送技術を使うNTTや、未来を担う子供たちに人間や地球を豊かにするモノづくりの意味などを伝えるパナソニックグループなどがパビリオンを出展する。

深海や宇宙などを旅のように体験することで「いのちの尊さ」を学ぶ三菱グループ、脱炭素社会に向けた未来型住宅やまちづくりなどを紹介する飯田グループホールディングスと大阪公立大学のパビリオンなども、持続可能な社会や地球環境を意識した構成となっている。

そのほか、未来社会ショーケース事業では、スマートモビリティ万博、デジタル万博、フューチャーライフなど、テーマごとに展示施設があり、「未来の都市」パビリオンなどの大規模なものもある。

開会式は開幕日前日である4月12日に関係者のみで開かれ、NHKで全国に生中継される。イベントも4月13日の開幕当日に予定されるオープニングイベントのほか、音楽や文化関係のイベントなども多数予定されている。

写真左:未来社会ショーケース(出所:大阪・関西万博) 写真右上:「循環」をテーマにした日本館(出所:経済産業省) 写真右下:大阪・関西万博のEXPOホール(出所:大阪・関西万博)
未来社会ショーケース(出所:2025年日本国際博覧会協会)

持続可能社会実現へ大阪をSDGsの発信地に

国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)は達成目標年を2030年と定めている。2025年は目標年まで5年という節目の年であり、大阪万博で持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速させる狙いがある。万博で生まれたアイデアや技術、人的交流を生かし、大阪をSDGsの発信地にする。

日本で開かれる国際博覧会は2005年に愛知県で開かれた「愛・地球博」以来20年ぶりとあって、国内外か約2800万人が来場すると想定。経済波及効果は約2兆円を見込んでおり、万博開催によって対日投資の活性化、地域経済振興、日本文化の対外発信強化などが期待されている。

(上)「循環」をテーマにした日本館(出所:経済産業省) /(下)大阪・関西万博のEXPOホール(出所:2025年日本国際博覧会協会)

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