環境用語集 LCA

ライフサイクルアセスメント(LCA)とは

ライフサイクルアセスメントとは、製品のライフサイクルにおける投入資源、環境負荷およびそれらによる地球や生態系への環境影響を定量的に評価する方法のこと。「ゆりかごから墓場まで」の環境負荷を定量的に評価し、生涯プロセス全体を通じて、より環境負荷の少ない方向へ生産を移行させる手法をいう。それぞれの単語の頭文字を取り、LCA(Life Cycle Assessment)とも呼ばれる。

LCAの手法については、ISO(国際標準化機構)による環境マネジメントの国際規格のなかで、ISO規格が作成され、ISO14040をはじめとして、LCAの要素ごとにその内容が定められている。

  • ISO14040(JIS Q14040):原則および枠組み
  • ISO14041(JIS Q14041):目的および調査範囲の設定並びにインベントリ分析
  • ISO14042(JIS Q14042):ライフサイクル影響評価
  • ISO14043(JIS Q14043):ライフサイクル解釈
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製品ライフサイクル上でのCO2排出量の所在(出所:産業環境管理協会)

GHG削減に関するLCAガイドライン

再生可能エネルギーや水素エネルギーの利活用の推進は、地球温暖化対策のみならず、エネルギーの供給源の多様化、雇用を創出する新産業の育成等といった観点からも重要である。

一方で、再エネや水素活用による温室効果ガス(GHG)排出量の削減については、GHGを排出しない使用時のみに着目するのではなく、ライフサイクル全体を考慮した排出量および削減量を評価するLCAを導入することが重要である。

環境省は、事業者によるエネルギー源の選択やプロセスの改善を通じた温室効果ガス排出量の確実な削減の達成に寄与するため、製造・輸送・利用などの各プロセスのGHG排出削減効果の検証手法を検討し、実行に向けてLCAガイドラインを公開している。

なおGHG排出量の算定方法としては、主に「活動量×排出原単位」により算定される。

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(出所:環境省)

※活動量とは事業者の活動の規模に関する量を表し、電気の使用量や廃棄物の処理量等が該当する。排出原単位とは活動量あたりのGHG排出量を表し、電気1kWhあたりのGHG排出量や廃棄物の焼却1トンあたりのGHG排出量が該当する。

企業のLCA事例

現在、企業各社は製品の開発・製造などにライフサイクルアセスメントの手法を導入し、ライフサイクルにおけるCO2排出量の算定を行うことで、CO2排出量の削減に取り組んでいる。

【参考】
・産業環境管理協会−LCAの概要
・環境省-再生可能エネルギー及び水素エネルギー等の温室効果ガス削減効果に関するLCAガイドライン

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