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太陽光発電の買取価格、「入札方式」の見直し案 経産省の検討委員会が公表

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太陽光発電の買取価格、「入札方式」の見直し案 経産省の検討委員会が公表

経済産業省は、再生可能エネルギーをめぐる制度的な見直しについての検討する小委員会で、固定買取制度(FIT)における太陽光発電の価格決定方式を、入札制度へ移行する見直し案などを示した。

一方、風力地熱、水力、バイオマスなど、開発に時間がかかる電源については、買取価格の決定時期を「認定時」とした上で、電源の実態にあわせ、2~5年程度の期間の価格決定を行う案を提示した。

太陽光については、数年先の認定案件の買取価格(引き下げ)を予め決定する場合は、買取価格の決定時期を「運転開始時」または「認定時」とし、数年先の決定を行わない(毎年度決定)場合、「運転開始時」では将来の見通しが立たないため、「認定時」の方が適当だとしている。これについては、下記のコスト効率的な導入を促す価格決定方式と併せて検討する必要があるとした。

コスト効率的な導入を促す太陽光の価格決定方式

現状と課題

FITの施行後、太陽光発電の導入が急速に進んでいる。一方、現行制度の課題として、(1)太陽光システム価格は市場拡大により低下してきたが、設備費用、工事費用とも日本のコストは欧米に比べ高く、買取価格も欧州に比べ高い水準(制度当初から2倍程度)に留まっている、(2)最終的な利益(IRR)にはプロジェクトごとに大きな開きが存在し、事業者・案件によりコスト効率性に差が存在する、の2点をあげる。

早期の自立電源化を目指して、コスト効率的な事業者の参入を優先させ、事業者のコスト低減努力をより一層促進するためには、海外の事例も参考にしつつ、コスト効率的な導入を促す買取価格決定方式へ移行すべきとの考えが示された。

対応策

対応策として以下4案と、それぞれの論点が示された。

(1)現行価格決定方式の厳格化(トップランナー方式)

  • 事業者にとって、年度毎に価格が決定されるため、予見可能性が低い。
  • 直近(前年)の導入量やコスト実績データを踏まえて価格決定するため柔軟な対応が可能。他方、価格の設定を誤ると、急速な導入拡大や急激な導入停滞を生む恐れがある。

(2)一定比率で毎年価格を低減させる方式

  • 事業者にとって、将来の価格が見通せるため、予見可能性が高い。このため、事業者によるコスト低減努力、イノベーションを促しやすい。
  • 技術革新やコスト変化が著しい場合、将来を見通した価格低減率の設定は難しい。

(3)導入量に応じて価格低減率を変化させる方式

  • 理論的には導入実績に応じた価格決定の実現を目指す仕組み。
  • 導入量と低減率、2つの要素を決める必要がある。適正な数値を設定するのは難しく、事業者にとって導入量を予見することは困難であり、買取価格に関する予見可能性が低い。

(4)市場競争を通じた価格決定方式(入札制)

  • 事業者にとって、(自分で決めた入札額に基づくため)買取価格は予見可能となるが、そもそも落札できないリスクが生じる。
  • 競争を通じてコスト効率的な事業者から導入が進むことが期待される。

再生可能エネルギーの効率的な導入について議論

本検討は、同省が20日に開催した、第3回再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会で行われた。今回は「再生可能エネルギーの効率的な導入について」を議題に、1.FITにおける買取価格決定方式のあり方、2.FITに関するコストの負担のあり方、について、議論した。

2のFITに関するコストの負担のあり方では、「賦課金減免制度のあり方」「費用負担調整機関の事務に伴うコストの最小化」について、方向性が盛り込まれている。

賦課金減免制度のあり方について

賦課金減免制度は、国際競争力の維持・強化の観点から、電力多消費事業者の売上高千円当たりの電気使用量(kWh)が、製造業では平均の8倍(非製造業は14倍)以上となる事業を行う事業所について、その賦課金負担の8割を減免するもの。原資は政府予算により手当てしている。

制度運用後3年間を経過する中、減免制度では、国民負担が増大していること等から、予算の使い方としては、省エネ努力の有無等に関わらず交付される単なる電気代補助として行うよりも、費用対効果の高いものに振り向けていくべきではないか等の指摘がある。

費用負担調整機関の事務に伴うコストの最小化

現在のFITにおいては、買取に必要な費用を賄うため、全国の需要家から賦課金を徴収している。しかし、毎年度の賦課金単価の設定においては、再生可能エネルギー導入量や全体の需要量の予測が困難であることから、結果的に費用負担調整機関に資金不足が生じ、金融機関からの借入が発生している。これが追加的な国民負担となっている。

これらのコストを最小化する具体的方策案として、(1)賦課金単価の設定を精緻に行い、交付金の原資たる納付金が不足する事態を出来る限り発生させないようにすること、(2)また、費用負担調整機関が金融機関から借入を行う場合に、金利負担等を最小化するための措置を検討すること、が示されている。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会(第3回)

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