地球沸騰化時代の「社会的共通資本論」―企業人と政策立案者に示唆するもの

「地球沸騰化の時代」に経済をどう考えるか

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7月、国連のグテーレス事務総長は「地球沸騰化の時代が到来した」と危機感を示した。気候変動の最悪の事態を回避するために、各国は何ができるのだろうか。京都大学名誉教授で地球環境戦略研究機関シニアフェローの松下 和夫氏に、地球沸騰化の今どう行動すべきかについて寄稿してもらった。(連載第1回)

「地球沸騰化の時代」の到来

7月27日、国連のグテーレス事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と述べた(※1)。

これは世界気象機関(WMO)と欧州委員会のコペルニクス気候変動サービス(C3S)による「7月が人類史上最も暑い月となることを裏付ける公式データの公表(※2)」 を受けて、記者会見で述べたものである。

国連事務総長のコメントは、以下のとおりだった(※以下の訳文は筆者仮訳によるもの)。

「これらはすべて、科学者の予測や度重なる警告と完全に一致している。 唯一の驚きは、その変化の速さである。気候変動は今ここにある。恐ろしいことだ。そしてそれは始まりに過ぎない。世界の気温上昇を1.5℃未満に抑え、気候変動の最悪の事態を回避することはまだ可能だが、それは、劇的で早急な気候変動対策によってのみ可能なのだ。加速する気温上昇は、加速する行動を求めている。私たちはまだ最悪の事態を食い止めることができる。しかし、そのためには、猛暑の1年を野心の1年に変え、気候変動対策を加速させなければならない」

また具体的な取り組みとして、各国に次のような行動を促した。

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