環境用語集 回避可能費用

回避可能費用とは

回避可能費用とは、固定価格買取制度(FIT)において、再生可能エネルギー電源を用いて発電され電気(FIT電気)の買取義務者(電気事業者)が、この電気の調達によって、発電・調達をせずにすみ、支出を免れた費用をいう。実質的には、電気事業者にとってFIT電気の調達費用に相当する。

電気事業者がFIT電気の買い取りに要した費用は、電気料金に上乗せされ「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」として、電気の需要家(国民)が負担している。この再エネ賦課金は、回避可能費用を差し引いて算出される。

電気事業者は、電気の使用量に応じ需要家から集めた再エネ賦課金を、国が指定する「費用負担調整機関」に納付。同機関は、各電気事業者から報告を受けた買い取り費用から、各々の回避可能費用等を差し引いた金額を、「再エネ特措法交付金」として交付している。

回避可能費用の算定方法

電力小売りの全面自由化以前は、回避可能費用単価は、旧一般電気事業者(電力大手10社)の電気事業に係る原価をベースに算定していたが、2016年4月の小売全面自由化に伴い、市場価格連動へと変更された。新たな回避可能費用単価として、スポット市場価格と1時間前市場価格の加重平均値(30分値をそのまま用いる)を用いることとなった。

これは、電力システム改革を通じて、従来の一般電気事業者を中心としたシステムが見直され、これまでの価格指標が採用できなくなったことや、卸電力市場の活性化が期待され、制度上もインバランス料金が市場価格連動となる等の変化を踏まえたものだ。

しかし、小売電気事業者(小売全面自由化前の特定規模電気事業者等)に対して、新しい算定方法を受けた、小売料金の改定のための時間を確保することを目的に、小売全面自由化から5年間の激変緩和措置期間(猶予期間)を設け、一定の条件を満たす場合に限り、従来の原価に基づく回避可能費用単価を例外的な措置として維持することを認めている。

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