国家プロジェクトとしてペロブスカイト太陽電池の開発に取り組む中国では、カラー化や大面積化など商業界のニーズに合わせた実証が進んでいる。中国の最新動向について、資源総合システム 企画部 部長 首席研究員の貝塚 泉氏に解説してもらった。(第11回連載、バックナンバーはこちら)
ペロブスカイト太陽電池で発電しビル内に供給
中国・浙江省杭州市余杭区において、ペロブスカイト太陽電池による2つの分散型グリーンビルディング実証プロジェクトが系統連系し稼働開始したと2024年2月に発表した。余杭区政府ビルと、研究開発と商業オフィスを統合した「AI+ビックヘルスイノベーション産業パーク」の屋上に、2,000枚のペロブスカイト太陽電池「αモジュール」を設置、発電電力はビルに供給する。これはカラー太陽電池(ペロブスカイト量子ドットコーティング製品)を使用したものだ。産業パークの南向きフェンスには入居する複数企業のロゴマークが入ったカラー太陽電池による看板を設置したという。