ここ数年、温泉が地域の新たなエネルギー源として注目を集めており、太陽光発電から温泉発電へと、事業者の投資先がシフトしている。一方、温泉発電は既存の温泉井を利用するため、事業参入へのハードルが低く乱開発につながりやすい。特に日本一の源泉数と湧出量を誇る大分県別府市では、騒音や排水、景観破壊などが大きな問題となっている。このままでは、地域の有望なエネルギーとして期待され、日本全国で一気に導入が進んでいたにも拘わらず、騒音被害や景観・環境破壊が問題となり、かつて全国各地で反対運動が行われた風力発電の二の舞となる可能性がある。
温泉発電を地域の有用なエネルギー資源として有効活用するためには、無秩序な乱開発を抑制し、地域の共有資源として受け入れられる環境を醸成する必要がある。地域資源である再生可能エネルギーなどを活用する場合、単にインフラサービスとして提供するだけでは、地域の活性化及び地場産業振興策には繋がらない。地域のコミュニティ、文化、生活サービスの中に取り入れることにより、地域に密着した愛される温泉発電としていくことが求められている。
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