連載「環境・農業・サステビリティ推進ビジネスの創出」の第6回。年間1520兆円規模のビジネス創出が見込まれ、生物多様性と自然資本を回復に反転させる「ネイチャーポジティブ」。生物多様性の重要さへの理解が進む中、どのような規制が世界では取り決めされているのか。金融経済の枠組みにはどういった潮流があるのか。ネイチャーポジティブ経営の実践に詳しいPwCサステナビリティのマネージャー村上朝彦氏とシニアアソシエイト白石拓也氏に解説してもらった。(バックナンバーはこちら)
ネイチャーポジティブ目標
生物多様性の重要性が認識され始めるとともに、さまざまな規制が「波」となってすぐそばまで押し寄せてきている。特に生物多様性条約(CBD)とCBD第15回締約国会議(COP15)が採択した「昆明・モントリオール生物多様性枠組(※4)」が重要で、「2050年ビジョン」「2030年ミッション」、23項目からなる「2030年ターゲット」で構成される。