発電所や工場の排気ガスからCO2を分離回収し、利用あるいは貯留するCCUS(CO2 Capture, Utilization and Storage)は脱炭素への有望な方法の一つだ。しかし一方で、コストが大きく掛かってしまう課題がある。京都工芸繊維大学の谷口育雄教授は、CCUSのコストを削減するのに有効な、膜を使ったCO2の分離回収方法の開発に成功した。民間企業と協力し実証実験を行うCO2の「膜分離法」の最前線について聞いた。(連載第2回、バックナンバーはこちら)
CCUSにある現在の課題
工場の排気ガスなどから二酸化炭素(CO2)を分離回収し、利用あるいは貯留するCCUSという方法は、地球温暖化の対策として1970年代から研究されてきた。