前回、太陽光に含まれる波長と、それを利用する太陽光発電や植物の生育に関わる波長について紹介した。営農型発電(ソーラーシェアリング)における作物生産でも、光の強さが重要な環境パラメーターであり、光合成速度や光飽和点、昼寝現象などに関係する。しかし光の捉え方は利用目的や分野によって異なり、単位も様々である。そこで今回は光の特徴と単位について簡単に説明し、農業分野で用いられている光の単位と測定方法について紹介する。
光の測定
太陽放射は約280nmから3000nmの波長範囲が地上に達するが、人間の目の感度は約555nmの緑色付近が最も高く、昆虫は約350nmの紫外線が最も高い。一方、植物は主に400nmから700nmの青色から赤色の光を光合成に利用でき、この波長範囲を光合成有効放射とよぶ。700nmから780nmの波長範囲でも僅かに光合成を行うことができるが、主に発芽や開花、発根、伸長などの光形態形成に関与し、この波長範囲を遠赤放射とよぶ。
また、光の計測法には放射測定法(radiometry)、光量子測定法(quantum flux measurement)および測光法(photometry)の3種類あり、それぞれ光のエネルギー量、光量子数および人間の目で感じる明るさを測定対象とする。つまり、太陽光発電と植物の光合成、照明の様に対象によって測定方法や単位が異なる。
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