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最終更新:2026年09月29日

ソーラーシェアリング

環境ビジネス編集部
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ソーラーシェアリングとは、農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備を設置し、営農を続けながら発電事業を同時に行う仕組みである。

農林水産省では「営農型発電設備(営農型太陽光発電)」と位置づけている。農業者の売電収入や電気代削減による経営安定化と、地域の再生可能エネルギー導入拡大を両立する手法として普及が進む。

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営農型太陽光発電設備の活用風景(出所:農林水産省)

一時転用許可制度の枠組みと2024年の法制化

農地に支柱を設置して発電設備を設ける場合、農地法に基づく農地転用許可が必要となる。農林水産省は、下部農地で適切な営農が継続されることを前提に、支柱の基礎部分について「一時転用」を認める運用を行ってきた。2013年3月に公表された通知指針に端を発し、2024年4月1日には農地法施行規則が改正され、一時転用許可基準が法令(省令)上の制度として格上げされた。

許可期間は原則として3年以内であるが、認定農業者等の担い手が下部農地で営農を行う場合や、荒廃農地を活用する場合など一定の条件を満たす案件については、最長10年間の許可が認められる。2024年4月の制度改正以降は、パネル直下だけでなく「設備が存する区域全体の農地」を対象として、地域平均の単収から概ね2割以上減少しないことや適切な営農継続が厳格に審査される運用となっている。

  • 支柱の基礎部分を一時転用許可の対象とし、期間は原則3年(担い手や荒廃農地活用等の要件を満たせば最長10年、再許可可能)
  • 簡易な構造で容易に撤去でき、事業終了時の原状回復や撤去費用の担保が確認されること
  • 設備区域全体の農地において、地域の平均的な単収とおおむね2割以上の減少がない適正な営農が継続されること
  • 年に1回、農業委員会等へ農産物の生産実績および収支状況の報告義務を果たすこと

考案の背景と技術的特徴

ソーラーシェアリングは、CHO研究所所長の長島彬氏が考案した技術体系に基づく。植物が光合成を行う際、一定以上の日射強度に達するとそれ以上光合成量が増加しなくなる「光飽和点」の存在に着目し、過剰な太陽光を発電に回す着想から生まれた。2003年に特許出願され、2005年には技術普及を目的に権利が無償公開された。

営農と両立させるため、架台の支柱間隔や高さを確保してトラクターなどの農業機械が通れる空間を確保するほか、細長いパネルを隙間を空けて配置するなどの工夫が施される。ただし、パネルによる遮光率と作物の生育環境を巡っては様々な議論があり、一律の遮光率規制の是非に関して、国内外の実績を基に自然エネルギー財団が公表した提言レポートなどでも議論が深められている。

導入実績とビジネスモデルの進化

農林水産省の集計によると、一時転用の新規許可件数は累計6,137件、下部農地面積は1,361.6ha(2023年度末時点)に達している。栽培作物としては、榊やシキミといった観賞用植物のほか、野菜類、果樹などが幅広く栽培されている。

事業スキームの面では、固定価格買取制度(FIT)による全量売電モデルから、自家消費やコーポレートPPAを活用したオフサイト供給への移行が進んでいる。例えば、小田原かなごてファームによるソーラーシェアリング由来の電力を活用した横浜商科大学の全キャンパス再エネ化など、地域で作られた電力を特定の需要家へ届けるエネルギー地産地消の取り組みが活発化している。また、農山漁村再エネ法と連動した地域共生や、営農責任と発電事業の適正な役割分担がより強く求められている。

参考

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環境ビジネス編集部

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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