再エネで世界を先導するドイツだが、再エネの普及前夜に夜明けに向けて努力をした人たちがいたはずである。そうした人たちの中でも特に有名なのがドイツ南部、黒い森にあるシェーナウ電力(EWS)である。1994年設立、現在は年商4300万ユーロのEWSは反原発の先頭に立ち、配電網運営と電力小売、ガスの小売を手がける企業である。
再エネを重視した電力メニューを重視し、エコ電力の先駆けとも言えるEWSの設立の経緯は日本語でも数多くの書物や記事で紹介されている。1994年といえば電力の自由化も発送電分離もされていない時代であり、今とはエコ電力の取り組みの難しさも異なっていた。EWSはそうした時代に設立された企業であり、まさにエネルギー転換の流れを起こしたスタートアップであった。今回は、設立当初からブレのない同社の理念を追いながら、EWSの電源ミックスを見てみよう。
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