環境対策実務情報メディア「環境ビジネス」
最終更新日:2026年09月14日

グリーンニューディール基金

環境ビジネス編集部
環境ビジネス編集部

グリーンニューディール基金とは、東日本大震災後のエネルギー需給逼迫や災害対応を背景に、地方公共団体が避難所や防災拠点等へ再生可能エネルギー設備や蓄電池などの自立分散型エネルギーシステムを導入することを支援した国の基金事業である。

正式名称は「再生可能エネルギー等導入推進基金事業」であり、国の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金を原資として各都道府県や指定都市に造成された。新規設備の導入支援および基金造成は2016年度(平成28年度)末をもって終了している。

グリーンニューディール基金の制度目的・支援対象

東日本大震災の教訓を踏まえ、災害時における地域の防災機能強化やBCP(事業継続計画)の確保、ならびに平時の温室効果ガス排出抑制を同時に達成することを目的として創設された。

事業実施主体となる地方公共団体が、庁舎や学校などの指定避難所、地域の防災拠点となる公共施設および民間施設を対象に設備導入補助を実施した。対象となった設備は、自家消費を前提とした太陽光発電設備、蓄電池、バイオマス発電、小水力発電、未利用エネルギー活用設備など多岐にわたる。なお、発電した電力は自家消費が原則であり、固定価格買取制度(FIT)による売電は認められていなかった。

事業終了後の運用管理と実務上の注意点

本事業は時限的な施策であり、新規の設備採択および基金造成は2016年度末に完了した。現在は設備導入後のモニタリングおよび資産管理のフェーズへ移行している。

実務上、過去に本基金を活用して設置された設備を保有・管理する自治体や事業者は、以下の点に留意する必要がある。

設備の維持管理と適正な手続き

基金設備から生じた余剰電力の売電収入については、自治体が設置した「売電収入管理基金(管理基金)」等に積み立てられ、設備の保守点検や将来の修繕・更新費用に充当される仕組みとなっている。

また、本事業で取得した設備は法定耐用年数(処分制限期間)内における適正管理が義務付けられている。期間内に設備の譲渡、廃棄、目的外転用などを行う場合は、事前に所管の地方環境事務所へ財産処分の承認申請手続きを行わなければならない。

後継施策への移行と地域脱炭素への展開

グリーンニューディール基金が推進した「防災拠点・公共施設における自家消費型再エネと蓄電池の導入」というレジリエンス強化モデルは、2050年カーボンニュートラルに向けた国の施策へと引き継がれている。

現在、自治体や地域の防災拠点等に対する同様の再エネ設備・蓄電システムの導入支援は、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(脱炭素先行地域づくり事業や重点対策加速化事業)」などに発展的統合がなされている。新たに公共施設や避難所等への設備導入・更新を検討する場合は、本基金ではなく後継交付金等の最新の公募要領を確認する必要がある。

関連ニュース 等

参考

注目情報(PR)

この記事にリアクションして1ポイント!
(※KAIGI ID登録でポイントを貯められます)

環境ビジネス編集部

環境ビジネス編集部

環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

この情報をシェア


オススメ情報(PR)


新着イベント