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ドイツ・エネルギー事情

ドイツの省エネ政策(その3、省エネ改修の威力)

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ドイツは2050年までに「エネルギーシフト」、正確にはエネルギーヴェンデ(=エネルギー大転換、維新)を実施することを2010年秋に決議した。ドイツというエネルギー消費量が大きい工業先進国において、電力にウェイトを置いた再生可能エネルギーでほとんどすべてのエネルギーを供給することになる。ただし、このエネルギーヴェンデは、大々的な省エネが推進され、エネルギー消費量が2050年までに半減されることを前提としている。省エネ政策の柱である建物の省エネについて考察する(その3)。

最終エネルギー消費でみた熱エネルギーの割合

2010年に決議されたドイツの「エネルギーシフト構想」では、毎年2%程度の一次エネルギー供給量を削減してゆき、2050年までにエネルギー需要を半減させることが工程表として掲げられています。したがって、「クールビズ」のような市民の行動の変化による省エネでは、この目標に到達することはまったく叶いません。もちろん、エネルギーの浪費を推奨するわけではないのですが、エアコンの設定温度を数度上げたところで、1年めの2%省エネはなんとか達成できたとしても、2年めとなるととたんに厳しくなります。しかも3年めにはエアコンの設定温度を35度にしないことには・・・というか、そもそもエアコンという機能自体を諦めざるを得なくなります。

学術的な研究からもすでに分かっているように、人間は適度な湿度で、室温が23~26度までの範囲で学習能力や集中力が最大化します。この範囲を外れると、学習能力や生産性が大幅に低下することになりますから、行き過ぎた「クールビス」の推進は、日本の先進工業国としての地位を危険に晒す可能性すらあるでしょう。

それでは、ドイツは「どこに」毎年継続的にエネルギー消費量の削減を見出そうとしているのでしょうか? 省エネの柱は次の3本立てとなります。

(※全文:4,516文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

村上 敦(むらかみ・あつし)

環境コンサルタント

ジャーナリスト、環境コンサルタント。建設会社を経て、ドイツ・フライブルク市に。郡役所・建設局に勤務の後、2002年から独立し、ドイツの環境・都市計画政策を日本に紹介。執筆活動、自治体・企業へのコンサル、講演活動を続ける。持続可能なまちづくりを提案する一般社団法人・クラブヴォーバン代表。著書に『キロワットアワー・イズ・マネー(いしずえ)』、訳書に『メルケル首相への手紙(いしずえ)』など。
環境ジャーナリスト 村上敦オフィシャルサイト

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