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ドイツの省エネ政策(その1) ~ 不動産広告時のエネルギーパス表示の義務化

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ドイツは2050年までに「エネルギーシフト」、正確にはエネルギーヴェンデ(=エネルギー大転換、維新)を実施することを2010年秋に決議した。2022年に脱原発、2050年までに脱化石を果たす工程表だ。ドイツというエネルギー消費量が大きい工業先進国において、電力にウェイトを置いた再生可能エネルギーでほとんどすべてのエネルギーを供給することになる。ただし、このエネルギーヴェンデは、大々的な省エネによって、エネルギー消費量が2050年までに半減されることを前提としている。今回からドイツの省エネ政策について考察する。

改正された省エネ政令2014年版

2014年5月1日、審議や調整に時間がかかり、2年ほど決議が遅れた難産の「省エネ政令(EnEV)2014」がようやく施行されました。省エネ政令とは、省エネ法で定められているように、建物におけるエネルギー消費量を削減するため、建物の躯体性能と温熱設備の省エネルギー性能を具体的に詳しく数値で指定している政令です。建物とは、住宅も、非住宅のどちらも含みます。

ドイツではオイルショックの後に、新築時と大改修時における建物の断熱性能の最低限到達の値(ミニマムスタンダード)を定めた「断熱政令」、同時に暖房・給湯設備の最低限到達しなければならない省エネ性能を定めた「暖房・給湯設備政令」が施行されました。その基準値は、年を追うごとに、政令の改正とともに厳しくなっています。

この2つの政令が2002年に統合されて、「省エネ政令」になりました。「省エネ政令」自体も、2007年、09年とより厳しく改正されてゆき、2021年までに新築・大改修の建物のエネルギー消費量をほぼゼロにすることを義務付けるEU指令(2010/31/EU)を受けての大改正が2014年の今、ドイツの国内法として整備、開始されたわけです。

この省エネ政令の基準値や中身については、今後のコラムで紹介してみたいと思います。もし、先取りして、政令の概要や解説を知りたい方がいましたら、国立国会図書館が2009年の省エネ政令を日本語で説明・解説していますので、そちらを参照して下さい。

今回お伝えしたいのは、「エネルギーパス」と呼ばれる建物の「燃費表示制度」についてです。この運用が5月1日から大きく変わりましたので、それを解説して、日本との違いを指摘してみたいと思います。

(※全文:4,817文字 画像:あり 参考リンク:あり)

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この記事の著者

村上 敦(むらかみ・あつし)

環境コンサルタント

ジャーナリスト、環境コンサルタント。建設会社を経て、ドイツ・フライブルク市に。郡役所・建設局に勤務の後、2002年から独立し、ドイツの環境・都市計画政策を日本に紹介。執筆活動、自治体・企業へのコンサル、講演活動を続ける。持続可能なまちづくりを提案する一般社団法人・クラブヴォーバン代表。著書に『キロワットアワー・イズ・マネー(いしずえ)』、訳書に『メルケル首相への手紙(いしずえ)』など。
環境ジャーナリスト 村上敦オフィシャルサイト

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