ドイツは2050年までに「エネルギーシフト」、正確にはエネルギーヴェンデ(=エネルギー大転換、維新)を実施することを2010年秋に決議した。2022年に脱原発、2050年までに脱化石を果たす工程表だ。ドイツというエネルギー消費量が大きい工業先進国において、電力にウェイトを置いた再生可能エネルギーでほとんどすべてのエネルギーを供給することになる。ただし、このエネルギーヴェンデは、大々的な省エネによって、エネルギー消費量が2050年までに半減されることを前提としている。今回からドイツの省エネ政策について考察する。
改正された省エネ政令2014年版
2014年5月1日、審議や調整に時間がかかり、2年ほど決議が遅れた難産の「省エネ政令(EnEV)2014」がようやく施行されました。省エネ政令とは、省エネ法で定められているように、建物におけるエネルギー消費量を削減するため、建物の躯体性能と温熱設備の省エネルギー性能を具体的に詳しく数値で指定している政令です。建物とは、住宅も、非住宅のどちらも含みます。
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