太陽が燦々と照っている。電気代節約のためにソーラーパネルを付けたいが、賃貸なので難しい。そんな人に朗報である。ドイツで2024年4月1日より、バルコニーに設置するいわゆる「バルコニー型太陽光発電機」の設置手続きが簡易化された。自治体の補助金も多く、自家消費用の小さなソーラーパネルがいっそう身近になりそうだ。
燃料価格高騰で需要増
ドイツではロシアのウクライナ侵攻により電気やガス、石油など燃料代が高止まりとなっている。例えば自然エネルギーを供給するシェーナウ電力では一般家庭向け電気料金は基本料金の他に38.3セント(約62円)/kWhと日本の倍、暖房の主流であるガスも15セント(約25円)/kWh程度と高い。北海道よりも北に位置するドイツでは冬は寒いため、冷房よりも暖房にコストがかかる。
この冬は国から一般家庭のエネルギーコストに補助が出たが、暖房を我慢する人も少なくなかった。地球温暖化につながる温室効果ガス排出抑制のためにも、政府は環境熱を利用するヒートポンプを推奨しているが、初期費用が高いうえに品薄で普及は進んでいない。
そんな中、太陽光による電力を自分で消費することで電気代の節約につなげたい人が増えている。以前のような固定価格での買取制度はなくなったが、電気代が高い現在では自己消費にお得感がある。しかし、ソーラーパネルは持ち家なら自宅の屋根につけられるが、賃貸の場合は難しい。そこで使えるのがバルコニー設置型だ。

ドイツの住宅事情にぴったりなバルコニー設置型
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