生活しているとさまざまなごみが出る。日本のスーパーにはペットボトルや食品トレー、牛乳パック、缶を回収するコーナーがあり、ドイツ人に話すと「デポジットがかかっているわけでもないのに、わざわざ洗って戻しに来るなんて信じられない」と驚かれる。ドイツでは、これらのものはどうやって捨てているのだろうか。現地のごみ捨て事情を紹介する。
商品の包装材は製造者責任で
ペットボトルのラベルを剥がし、缶をすすぎ、トレーを洗浄して持ち込むなんて、日本人はまめだと思っていたが、普通のごみとして捨てるとその分処理代がかかるからだと納得した。ドイツでも家庭ごみの処理は有料である。
日本と異なるのは、商品の包装材は製造者責任で処理されるということ。ドイツでは、食品や雑貨などの包装材の処理費は商品価格に含まれている。そのため、所定のゲルベザック(黄色い袋)または街の黄色いコンテナーに入れれば、無料で回収・処分される。選別処理工場で洗浄するので汚れたまま、缶もトレーもプラスチック類も一緒に入れてよいことになっている。むしろ、洗うとかえって水など余計なエネルギーを使用するため、洗わないほうがいいとされている。
とはいえ、全部が国内でリサイクルされているわけではなく、燃料としてアジア諸国にそのまま輸出している例が少なからずあり、批判を浴びている。ちなみに製造者責任は電化製品にも当てはまるので、冷蔵庫・洗濯機等の大型家電を処分する際も支出はない。粗大ごみも年に2回まで自治体が無料で取りに来てくれるのが主流である。

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