GREEN ESSAY ドイツ現地リポート

リユース・リサイクルが根付く国、ドイツの「努力しない」ごみ捨て事情とは

  • 印刷
  • 共有

生活しているとさまざまなごみが出る。日本のスーパーにはペットボトルや食品トレー、牛乳パック、缶を回収するコーナーがあり、ドイツ人に話すと「デポジットがかかっているわけでもないのに、わざわざ洗って戻しに来るなんて信じられない」と驚かれる。ドイツでは、これらのものはどうやって捨てているのだろうか。現地のごみ捨て事情を紹介する。

商品の包装材は製造者責任で

ペットボトルのラベルを剥がし、缶をすすぎ、トレーを洗浄して持ち込むなんて、日本人はまめだと思っていたが、普通のごみとして捨てるとその分処理代がかかるからだと納得した。ドイツでも家庭ごみの処理は有料である。

日本と異なるのは、商品の包装材は製造者責任で処理されるということ。ドイツでは、食品や雑貨などの包装材の処理費は商品価格に含まれている。そのため、所定のゲルベザック(黄色い袋)または街の黄色いコンテナーに入れれば、無料で回収・処分される。選別処理工場で洗浄するので汚れたまま、缶もトレーもプラスチック類も一緒に入れてよいことになっている。むしろ、洗うとかえって水など余計なエネルギーを使用するため、洗わないほうがいいとされている。

とはいえ、全部が国内でリサイクルされているわけではなく、燃料としてアジア諸国にそのまま輸出している例が少なからずあり、批判を浴びている。ちなみに製造者責任は電化製品にも当てはまるので、冷蔵庫・洗濯機等の大型家電を処分する際も支出はない。粗大ごみも年に2回まで自治体が無料で取りに来てくれるのが主流である。

黄色いコンテナーは各世帯またはアパートごとに設置されており、住居者専用となっている
黄色いコンテナーは各世帯またはアパートごとに設置されており、住居者専用となっている

次ページへ→古ビン回収のコンテナーは導入50年

続きは有料会員になるか、この記事の購入後にお読みいただけます。

  • 実務に直結する有益なオリジナル記事を掲載
  • 有料会員になると購入不要で全記事読める(登録月無料)
  • 有料会員は「補助金情報検索システム」も利用可能
  • ポイントは記事の感想ボタンで貯められます
無料会員
300pt
有料会員
0pt

※記事単位での購入は
ポイントが必要です

関連記事