ドイツをはじめ、欧州ではエネルギーコストの高騰が大きな懸念となっている。特に天然ガスの半分以上をロシアから調達していたドイツでは、現在は褐炭や石油など化石燃料の利用を増やし、かつ再生可能エネルギーの増加を目指すとともに、市民や企業に幅広く省エネを呼びかけている。試行錯誤が続くドイツ産業界の現状をジャーナリスト田口 理穂氏がレポートする。
4月半ばに脱原発、電力の半分は再生可能エネルギー
まずドイツの電力事情に目を向けてみよう。
ドイツ政府は2030年までに電力の80%を再生可能エネルギーでまかなうことを目標に掲げている。また気温上昇を1.5度以内に抑えること、化石燃料への依存を減らすことを目指している。
ドイツ連邦ネットワーク局によると、2022年の電力消費は前年比4%減の484.2⦆テラワット時で、そのうち48.3%が再エネだった。
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