日本人にとって、「ヘンプ」はあまり馴染みのない言葉かもしれないが、大麻ビジネスと聞くと眉をしかめる人も多いのではないだろうか? タイでは近年急激に規制緩和が進み、国家主導で進めるBCG(バイオ・サーキュラー・グリーン)経済政策のなかでも特に力を入れている印象がある。なぜ大麻なのか? 環境・経済にどのように作用してくるのか? その背景を整理してみたい。
タイにおける大麻関連の動き
タイでは、麻薬・薬物犯罪は厳しく取り締まられており、法律に違反した場合は最高で死刑もある。
古くはタイの北部のゴールデントライアングル(タイ・ミャンマー・ラオスの国境地帯)ではアヘンの元になるケシを多く栽培されていた。元々貧しい山岳民族が生活するためにケシを栽培するが、結局安く買いたたかれ搾取されるだけでなく、アヘンが広がり中毒者が増えて更に搾取されてしまう貧困のループから抜け出せない状態が続いていた。