お天気キャスターでおなじみの森田正光氏が、環境問題や異常気象をはじめ地球のアレコレについて語るコラム。第9回目は、世界中で頻発している山火事について。特にシベリアに広大に広がっているタイガ(針葉樹林)で拡大する森林火災について語っていただきました。
「きょうもどこかで燃えている」
5月中旬、米・カリフォルニア州南部から、山火事のニュースが報じられました。例年なら、乾燥が進む夏〜秋に山火事が増えますが、時季外れに発生している点が気になります。近年、干ばつが常態化している米国西部は、「1200年で最悪」といわれるくらい深刻な状況になっているのです。
雨さえ降れば解決しそうですが、実はそう簡単ではありません。火災で地表付近が焼けると舗装道路のように固くなり、雨が降っても水を吸収せずに流れ出てしまいます。また、涸れ切った川に大量の雨が降ると、川底の土砂や灰、木々の残骸などが一気に流れ出し、土砂崩れや洪水が発生しやすくなります。土地の条件によって異なりますが、1時間に10ミリ程度の雨でも土砂崩れが発生する場合があるといいます。