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電力自由化・地域エネルギープロジェクト研究員 村井哲之の実践日記

(第16回)廃棄物系バイオマス発電の普及とその課題

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電力自由化・地域エネルギー事業プロジェクト研究 第3期研究生の村井 哲之氏が、プロジェクト研究という場を通して「何を学び、何を考え、何を実践し、何を得たか」を書き連ねるスーパーライブコラム。前回廃棄物管理に革新的な発展をもたらすであろう計測システムの紹介と、それがどのように自身のビジネスに活かせるのかについて説明した。今回は、廃棄物系バイオマス発電の普及に向けた課題と方向性をまとめた。

前号で予告した『廃棄物系バイオマス』について、現状における拡大に向けた課題と方向性の全体像と、「廃掃法」のかかわりをまとめておきます。

「原料(入口)」「技術(製造)」「販路(出口)」「事業化」の順に説明します。但し、「技術」については専門性が高いので今回は省きます。

また、最後に「個別バイオマス」として、同期の3期研究員が東急グループと共に廃棄物系バイオマス発電の商業運転に向けていよいよ実験導入を始めることから、都市部の生ゴミ発電の課題についてもまとめました。

原料(入口):廃棄物系バイオマス拡大の最大の課題

  • 廃棄物系バイオマスは変換技術だけでなく、生ごみの分別収集など原料をいかに効率的に収集するかが重要であり、環境省との連携(「廃掃法」上の課題解決など)が必要である。
  • 下水汚泥と生ごみを一緒に発酵させるとエネルギー回収効率が良くなるが、一般廃棄物と産業廃棄物の垣根の問題(「廃掃法」では、生ごみなどの一般廃棄物収集・運搬事業者は、市町村を越えては運搬ができないなど)を解決する必要がある。
  • バイオマスの事業化は、下水汚泥と生ごみの混合発酵、生木と廃プラペレットの混合利用など、廃棄物系と未利用系の組み合わせが重要である。
  • 廃棄物系バイオマスのうち、生ごみや紙ごみ類を合わせるとかなりの賦存量があり、有効利用を重点的に進める必要がある。
  • 卸売市場で発生する食品廃棄物をバイオマスとして活用できないか。

バイオマス原料の拡大に向けた課題と方向性は、

  1. 廃棄物系バイオマスの効率的な収集・運搬システムの構築
  2. 間伐材等の未利用系バイオマスや耕作放棄地(資源作物栽培)などの有効活用方法構築と農林業の活性化
  3. 生産効率の高い資源作物(ソルガム、短期成長木、微細藻類等)の効率的な栽培システムの構築

技術(製造):(全般)メタン発酵/木質/ガス化/海外展開

本コラムでは省略。

販路(出口):地域の特性を活かしきる

寒冷地域は木質燃焼による熱利用、畜産地帯は家畜糞尿のメタンガス利用と地域ごとにどのような利用方法が適切かを考える必要がある。

次ページ →バイオマス事業の普及のためには

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この記事の著者

村井 哲之(むらい・てつゆき)

事業構想大学院大学 研究員

環境プランナー。広島大学 政治経済学部 経済学科卒。法政大学環境マネジメント研究科修士課程中退。リクルート、第二電電(現KDDI)、エネルギー・マネジメントベンチャー代表取締役を経て、現在、日本初の廃棄のコンシェルジュ総合商社 株式会社イブロン代表取締役。

受賞歴:2007年 アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー ファイナリスト受賞、2008年 金書奨受賞(台湾の経済産業省が選ぶビジネス書NO1.)

国政への関与歴:経済産業省電力需給調整委員会(2回)参考人招致、参議院議員経済産業委員会「省エネ法」参考人招致

著書:『コピー用紙の裏は使うな!』(朝日新書)『コスト削減の教科書』(ダイヤモンド社)『廃棄物ビジネスの変革者たち』(共著/環境新聞社)『小売業の節電マニュアル』(商業界)他9冊

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