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ネットで拾えない地域新電力実務 ~ 情報の少ない需給管理編 ~

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先月に3回にわたり地域新電力について寄稿させていただきました(地域新電力の可能性を広げる自治体間連携 ~シュタットベルケからの示唆~と、自治体が所有する電源などを活用する地域新電力のとりくみと、タイプ別地域新電力考察 ~4つの軸+α~)。有難いことに反響をいただき、様々な方からお問合せをいただきました。

そのような中、地域新電力を検討しているが実務のイメージがつかめないという方が一定数いらっしゃいました。思い返せば私どもも、新電力検討の際には、実務として「30分毎の電力量について、需要を予測して計画値を提出」と言われても、いったいどんなシステムで、どのように手を動かすのかイメージを持てないでいたことを思い出します。イメージを持てないので「で、実際どんなことやるの?」と何人もの上司・関係者に聞かれ、説明に苦労したのを思い出します。

そこで本稿では、中小規模の地域新電力をご検討されている方向けの実務、特に電気事業の根幹である需給管理の実務についてご紹介します。少しでも具体的なイメージができ、検討のお役に立つことができれば幸いです。

まずは需要を予測

小売電気事業を行うためには、一般送配電事業者に対し、

  • 「需要計画」・・・抱える顧客(電気の需要家)の合計需要量
  • 「調達計画」・・・発電事業者や市場からの合計調達量
  • 「販売計画」・・・他の小売電気事業者や市場への合計販売量

を1日を48分割した30分のコマ毎に提出する必要があります。ここで、「需要計画に」応じて「調達計画」や「販売計画」を決めることになりますので、大切になってくるのが需要の予測です。

需要を予測する際、予測する日の気温や、曜日(施設の営業・休業)を踏まえることになりますが、これまでの実績(前年同月の同じ曜日の平均など)を基に予測するのが一般的です。

なお、私ども東京都環境公社の場合には、自社施設(研究所など)に電気を供給していますので、その日のイベント(大型の機器を使う場合は需要計画を増すなど)も踏まえて計画しています。

需要が小規模な地域新電力はエクセルで計算を行っているところもありますが、規模が大きくなると需給管理システムを導入して実績からの算出を自動化するのが一般的です(私達は小規模なのでエクセルです。)。

需要計画・調達計画・販売計画の提出内容

需要計画・調達計画・販売計画の提出内容
注:連系線利用計画等も同じタイミングで計画提出が必要

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この記事の著者

稲垣 憲治
稲垣 憲治
(公財)東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センター (東京都 環境局 地球環境エネルギー部)
平成17年3月東京大学大学院修了(エネルギー工学)。同4月文部科学省入省、原子力計画課係長などを経て22年3月退職。同4月東京都庁入庁。ソーラー屋根台帳や屋根貸しマッチング事業、シティチャージ設置事業など自治体の新しい太陽光発電普及策の企画に従事。26年4月から(公財)東京都環境公社(都から派遣)。5か国10都市で先進都市の再生可能エネルギー普及策等を現地調査。
北橋 みどり氏
北橋 みどり
(公財)東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センター 所属
NPO法人エコ・リーグ 代表理事、(一社)環境パートナーシップ会議 国際プロジェクトコーディネーター等などを務め、気候変動や国際交渉等に関連した数々のプロジェクト創出、国際ネットワーク構築等に携わった。環境省事業の委員や、外務省のNGO専門調査員等も務めた。2016年より現職。再生可能エネルギーの普及、新電力の立ち上げ・運営などに従事。
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