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太陽光発電普及策は補助金だけじゃない!

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国は平成25年度に既に住宅用太陽光発電への補助金を終了している。地方自治体も終了済み、または26年度までというところが多い。ここでは、補助金終了後の自治体の太陽光発電普及策として、欧州を中心に広がっている「ソーラー屋根台帳」を紹介したい。

ソーラー屋根台帳は、世界で既に80以上の自治体で導入されており、太陽光発電普及策の定番となりつつある施策である。日本では、平成26年の3月から東京都と(公財)東京都環境公社が初めて公開している。

ソーラー屋根台帳とは、建物ごとに太陽光発電の適性を示すWEBマップである。航空測量データを利用した3次元モデル解析により、屋根の面積や角度、近隣建物による日陰の影響が計算され、各建物の太陽光発電への適性が示される。

建物にカーソルを合わせクリックすると、建物ごとに太陽光発電の設置可能容量や推定年間発電量等が表示されるものが一般的で、市民が太陽光発電設置の際に参考とすることができる。ここでは、昨夏に訪問した4つの自治体におけるソーラー屋根台帳を活用した取組みを紹介する。

フライブルク市とボン市のソーラー屋根台帳画面

フライブルク市のソーラー屋根台帳(左)、ボン市のソーラー屋根台帳(右)

ソーラー屋根台帳を最初に公開したのは、ドイツのフライブルク市であるといわれている。「とても適している(緑色)」「適している(黄色)」「要現地調査(青色)」で太陽光発電への適性ごとに各建物が色づけされ、建物をクリックすると設置可能容量や年間推定発電量、二酸化炭素削減量などが表示される。

このソーラー屋根台帳は2008年に公開されているが、フライブルク市の担当者によると、環境都市を標榜する同市としては「ドイツ初」となることは極めて重要で開発を急いだとのことだ。ただ、その後、続いて公開したボン市のものが、デザインもよく情報量が多いことから悔しい思いをしたと語っていた。フライブルク市、ボン市とも環境都市を掲げており、自治体間での施策の競争関係が垣間見える。

さて、ボン市のソーラー屋根台帳が右図であるが、確かにフライブルク市の担当者が悔しがったとおり、とても見やすい。「とても適している(赤色)」「適している(オレンジ色)」「適していない(青色)」で色分けされており、「とても適している」と「適している」と表示された屋根を合わせると30万kW以上の太陽光発電設置ポテンシャルがあるとのことだ。

現在、既に設置されている太陽光発電の容量は1万kW程度であるからまだまだ設置ポテンシャルは残っていることになる。ボン市ではこれらソーラー屋根台帳から算出されたポテンシャル値を自治体の政策の参考にしているという。

なお、画面を切り替えるだけで、太陽熱利用システムへの適性も太陽光発電と同様に表示される。太陽熱利用システムは、太陽光発電に比し、狭い屋根面積でも設置可能なことから、切り替えると赤に色づけされた建物の割合が多くなる。

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