連載「再エネビジネスの視点で捉える電力業界における最近の注目動向」第8回。各社が規制料金値上げの検討を始めるなか、旧一電グループの小売電気事業者によるカルテルが発覚。世論は料金改定にどう影響するのか。再エネ電力事業の最前線で立上げ・運営をリードした小嶋 祐輔氏が当時の困難な状況を振り返る。(バックナンバーはこちら)
前回に続き、2022年のウクライナ情勢、福島県沖地震が電力小売業界に与えた影響について、解説をする。(1)規制料金の改定はどのような状況で行われたか、(2)業界内の不正行為が料金改定にどのような影響を与えたか、(3)国の支援策導入による影響と一連の事態の収束について、理解につなげてもらいたい。
規制料金の見直しに向けた状況
2022年11月頃から、旧一般電気事業者(旧一電)グループの小売電気事業者各社から、規制料金(一般家庭を中心とした低圧需要家向けの料金体系で、電気料金を変更するには経済産業大臣の認可が必要)の値上げの検討を始めると公表されるようになった。