連載「再エネビジネスの視点で捉える電力業界における最近の注目動向」第12回。従来の卸電力市場で取引されている「電力量(kWh)」ではなく、「将来の供給力(kW)」を取引する 「容量市場」。発電所の固定費をまかなう機能を期待された。その容量市場が導入され、いきなり直面してしまった課題とは?その対策はどのように取られたか?再エネ電力事業の最前線で立上げ・運営をリードした小嶋 祐輔氏が解説する。(バックナンバーはこちら)
前回は2020年度よりオークションがスタートした容量市場の導入の背景について解説した。今回は事業者に与えた影響や課題と「長期脱炭素電源オークション」について説明していく。小売電気事業者にとっては、純粋には負担増であるが、工夫をすることで差別化につながる。また、発電事業者やアグリゲーターにとっては、自社の機能を小売電気事業者に提供することで、収入増や新事業参入が可能となる。これからの事業戦略につなげるべく、参考にしてもらいたい。