連載「再エネビジネスの視点で捉える電力業界における最近の注目動向」第15回。2024年度から、需給調整市場の全市場が解禁となる。2021年度に開設されてからの動きはどのようなものだったか。これからの蓄電池ビジネスはどのように活発になっていくか。再エネ電力事業の最前線で立上げ・運営をリードした小嶋 祐輔氏が解説する。(バックナンバーはこちら)
今回から2回にわたって、2024年度から全市場が解禁になる需給調整市場と、その影響を受けて導入が活発となっている蓄電池・DRの活用にクローズアップしていく。小売電気事業だけでなく、FITが終わった後の発電事業でも、経済合理性の高い電力の活用が差別化要素として求められる中、需給調整市場において調整力に価値をつけることは、その差別化要素を増幅させるような働きがある。事業者の皆さんの事業戦略に役立ててもらいたい。
三次調整力から取引がスタート 価格水準は高止まり
需給調整市場は、一般送配電事業者が電力の「調整力」の調達をするために、2021年度からオープンになった市場である。