前回は最強寒波による記録的大雪が引き金となり起きた2020年末から翌21年1月の卸電力取引市場価格高騰とそれによる混乱の過程をたどった。この混乱を国の審議会はどのように振り返ったのか。市場価格高騰の原因はどのように分析されたのか。再エネ電力事業の最前線で立上げ・運営をリードした小嶋 祐輔氏がポイントを解説する。(連載第2シリーズ 第2回)
LNGの需給バランスの計画ずれ、そして燃料制約による供給力低下
2020年末から翌21年1月の卸電力取引市場価格高騰の混乱が終わり、その事態の大きさから経済産業省に設置されている審議会である電力・ガス取引監視等委員会による振り返りが行われた。まずクローズアップされたのは、国全体におけるLNGの在庫水準の計画と実績の乖離であった。