「電気の供給力が足りない!」、「電気がひっ迫しているので節電協力を!」、卸電力取引市場の高騰後、供給力不足は常態化し、資源エネルギー庁から需要家への節電の働き掛けは増加した。電力自由化が進むにつれ、陥ってしまった負のスパイラルとは?一方で、それを取り戻すため、一気に加速した市場整備と燃料確保の仕組み構築とは?再エネ電力事業の最前線で立上げ・運営をリードした小嶋 祐輔氏がポイントを解説する。(連載第4回、バックナンバーはこちら)
なぜ供給力不足が常態化してしまったのか
高騰が続いた卸電力取引市場は一定の落ち着きを取り戻した。しかし、需要期が来るごとに、予備率(予想される最大需要に対する、稼働できる発電所の出力合計の余裕度)が3%近辺、またはそれよりも低い水準になる見込みが出るようになり、系統全体の供給力不足が常態化するような状況となった。