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電力改革で生まれる新事業

太陽光バブルをソフトランディングさせる方法

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東日本大震災は日本の再生可能エネルギー政策を大きく変えた。再生可能エネルギーの導入政策としてRPS(Renewable Portfolio Standard)がFIT(Feed-in Tariff)より劣っているとは言えないが、環境先進国はFITを選択して成果を挙げてきた。一方で、RPSを選択した日本は電力会社の意向の影響を受け、再生可能エネルギーの導入レベルが欧米先進国に劣後することになった。こうした経緯から、日本にとってRPSからFITへの転換が再生可能エネルギー政策の大転機であり、電力会社の影響力を減じるという政策的な効果を上げたことは間違いない。しかしながら、導入から3年目を迎え、日本はFITについて二つの大きな課題を抱えている。

FIT全般の単価設定は、国際水準と比較して相当に高い

一つ目は、当初、太陽光発電に対して国際レベルの2倍に相当する単価を設定したFIT市場のバブル性をどのようにソフトランディングさせるかだ。現時点で、認可ベースでの再生可能エネルギー由来の発電容量は7000万kW近くに達している。いかに環境派と言っても、この状況を単純に喜ぶことはできないだろう。既に太陽光発電の単価は低減されているが、FIT全般の単価設定はまだまだ国際レベルに比べて相当に高い。

現状を放置すれば、日本の国民は再生可能エネルギーについて国際レベルからかけ離れた負担を強いられることになる。原子力発電が停止して以来、火力発電の燃料調達コストによる電力単価の上昇を問題視している政策姿勢とあまりに不整合である。国際レベルとの比較において再生可能エネルギーの単価だけを特別視することは、再生可能エネルギーを基幹エネルギーの一つにしようとする方向性とも矛盾する。

(※全文:2,230文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

井熊 均(いくま・ひとし)

日本総合研究所 創発戦略センター所長

1983年早稲田大学大学院理工学研究科修了後、同年三菱重工業株式会社入社。1990年に株式会社日本総合研究所入社ののち、産業創発センター所長を経て、2002年より現職。2014年より同社常務執行役員。早稲田大学大学院 非常勤講師、内閣府 官民競争入札等監理委員会 委員などを兼務。専門分野は事業の計画・提携・運営、産業政策、ベンチャービジネス、環境産業、公共IT政策、地域経営、公共財政、中国・アジア市場など。

著書に『エネルギーサービスプロバイダー』(日刊工業新聞社、共著2002年)、『分散型エネルギー』(日刊工業新聞社、編著2004年)、『次世代エネルギーの最終戦略』(東洋経済新報社、2011年)など多数。新著は『なぜ、トヨタは700万円で「ミライ」を売ることができたか?』(日刊工業新聞社、編著2015年)

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