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これからの木質エネルギービジネス

分散型熱電併給システムを支える新しい発電技術

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バイオマス発電の小型化傾向

前回は、熱供給と発電とを対比させながら、木質エネルギーの市場競争力を見てきた。熱の生産コストは燃料の価格に大きく左右される。近年、石油や天然ガスの価格上昇が著しいため、木質バイオマスによる熱生産の市場競争力は目に見えて高まってきた。比較的熱出力の小さいストーブやボイラでも、化石燃料焚きの装置とコスト面でかなりいい勝負になっている。

ところが発電の場合は、通常の発電方式(蒸気ボイラ・蒸気タービン方式)に依拠する限り、「規模の経済」が強烈に効いてくる。電気出力で5~10MW程度のプラントでは、発電効率が低いうえに、定格出力当りの資本費用と運転費用が大きく膨らんで、発電のコストも相当な割高になる。かと言って、電気出力を大きくすると、大量の燃料バイオマスが必要になり、簡単には集められない。国内の林業・林産業で発生する残材や木屑類を利用するとすれば、5MWでも大きすぎて、2MWかそれ以下の発電規模が無難なところだろう。

ドイツやオーストリアでもわが国と同じような状況にある。一時期、10MW以上のバイオマス発電プラントが建設されていたが、今ではすっかり影を潜め、比較的規模の小さい熱電併給(CHP)プラントがかなりの勢いで増えている。この種のプラントの際立った特徴は、熱供給を重視しながらも、可能な限り電気も取るというスタンスだ。

ただし出力規模が小さいと通常の蒸気タービン方式は使えない。近年、これに代わるものとして、オーガニック・ランキン・サイクル(ORC)による発電や、木材をガス化して発電する方式が広がり始めている。日本にはまだ導入例はないが、今回は、ようやく「実用化」の域に達したこの二つの技術を中心に話を進めよう。

(※全文:304文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

熊崎 実(くまざき・みのる)

 1935年岐阜県生れ。農林省林業試験場(現・森林総合研究所)林業経営部長、筑波大学農林学系教授、岐阜県立森林文化アカデミー学長を歴任。現在は、筑波大学名誉教授、日本木質ペレット協会会長、木質バイオマスエネルギー利用推進協議会会長。専門は国際森林資源論、農学博士。

 著書に『林業経営読本』(日本林業調査会)、『木質バイオマス発電への期待』(全国林業改良普及協会)『木質エネルギービジネスの展望』(同左)、『木質資源とことん活用読本』(編著、農文協)ほか。訳書に『日本人はどのように森をつくってきたのか』(C.タットマン、築地書館)、『樹木学』(P.トーマス、築地書館)ほか多数。

 木質バイオマスエネルギー利用推進協議会への相談は「info@w-bio.org」まで。

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