「ボーナス」による誘導
ドイツの固定価格買取り制度(FIT)は2000年4月にスタートするが、当初バイオマス発電の買取り価格は次のように決められていた。
電気出力 | ~0.5MW | 10.23 ユーロセント/kWh |
---|---|---|
0.5~5MW | 9.21 ユーロセント/kWh | |
5~20MW | 8.7 ユーロセント/kWh |
価格の設定はこの3本で、現行のものに比べると単純であり、出力規模による価格差も小さい。ここで注意してほしいのは、出力の大きい発電プラントでも、最初の0.5MWまでと0.5~5MWについては、それぞれに上記の価格が適用されることである。5~20MWの8.7セントというのは5MW以上の分の買取り価格だ。20MW以上はFITの対象とはならない。
このような価格設定で運用が始まったわけだが、ふたを開けてみると、応募してきたのは主として建築廃材を使う5MW以上のプラントばかりで、小規模プラントからの申し出はほとんどなかった。そこで2004年の改定を機に小規模プラントからの買取り価格が大幅に引き上げられる。ただし基本価格はそれほど変えられていない。その代わり燃料の種類、廃熱利用、発電技術などの条件に応じて「割増し(ボーナス)」が付けられることになった。すなわち次の三つがそれである。
全文は有料会員にログインしてお読みいただけます。
残り 94 %