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木質燃焼灰は産業廃棄物か?

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自然の循環に返されなくなった木質灰

木を燃やすと必ず一定量の灰が出る。古来、かまどなどで薪を燃やして出た灰は、肥料として畑にまかれるか、近くの野山に捨てられるかして、自然に返されるのが常であった。灰の成分はいずれ植物の成長に使われるだろう。つまり灰は自然の循環の中にあった。

ところが今では、木質バイオマスボイラから排出される燃焼灰が都市ゴミなどの焼却灰と同一視されて産廃扱いになっている。埋立て地への直行で、もはや自然の循環には戻れない。確かに大型のボイラで燃やされるバイオマスの量は、大変なものだ。年に6万トンのチップを燃やす5MWのバイオマス発電所からは数千トンもの灰が出てくる。そこらに捨てられるような半端な量ではない。そのうえ人間の健康や環境に良くない重金属などを含んでいる可能性もある。そうした懸念があるために、しっかりした証拠がないまま、有害な廃棄物として処分されてきたのである。

オーストリアのI. Obernbergerらの推計によると、固定床ボイラから出る1トンの木質灰の中には241ユーロに相当する肥料分が含まれている(2009年1月の各種市販肥料の価格を適用)。しかるにこれを産廃として処理する場合には、200~500ユーロの出費になるらしい。どちらに転ぶかで雲泥の差が生じるのだ。有害な重金属などの混入が少なくなれば、肥料として十分に活用することができる。それにはどのような方策があるのか、今回はこの点を中心にして話を進めることにしたい。

(※全文:4,626文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

熊崎 実(くまざき・みのる)

一般社団法人 日本木質バイオマスエネルギー協会 会長

1935年岐阜県生れ。農林省林業試験場(現・森林総合研究所)林業経営部長、筑波大学農林学系教授、岐阜県立森林文化アカデミー学長を歴任。現在は、筑波大学名誉教授、日本木質ペレット協会会長、一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会会長。専門は国際森林資源論、農学博士。

著書に『林業経営読本』(日本林業調査会)、『木質バイオマス発電への期待』(全国林業改良普及協会)『木質エネルギービジネスの展望』(同左)、『木質資源とことん活用読本』(編著、農文協)ほか。訳書に『日本人はどのように森をつくってきたのか』(C.タットマン、築地書館)、『樹木学』(P.トーマス、築地書館)ほか多数。

一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会への相談は「mail@jwba.or.jp」まで。

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