ユニークなエネルギー源:木質バイオマス
バイオマスは、数ある再生可能なエネルギー源のなかで、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料に最も近いエネルギー源である。そのためエネルギーとしての使い道がすこぶる広い。冷暖房用、産業用の熱はもとより、発電にも使えるし、輸送用の燃料生産にも振り向けられる。端的に言えば、化石燃料にできることは何でもできる。
現在のところ、水力、風力、潮力、太陽光に期待できるのは発電に限られている。また太陽熱や地熱にしても高温の熱や輸送用の液体燃料までは生産できない。それができるのはバイオマスだけであり、バイオマスの際立った特徴がここにある。
地中に埋蔵された石炭、石油、天然ガスはいずれ掘り尽くされよう。それを再生可能なエネルギーで埋めていくことになるが、バイオマスでないと埋めきれない分野が必ず出てくる。木質バイオマスが果たすべき役割は、時代とともに大きく変わっていくだろう。変化の方向を決めるのは、何よりも各種化石燃料の需給動向であり、いま一つは太陽光や風力、地熱など自然エネルギーの展開・普及状況である。
今回はエネルギー源としての木質バイオマスの可能性について述べることにしたい。
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