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これからの木質エネルギービジネス

鍵を握る木質バイオマスのカスケード利用

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良いものから順々に使い尽す

木質バイオマスのエネルギー利用は、国によってその進捗度に大差がある。先進国と呼ばれるOECD加盟国に限って言えば、最初に先導的な役割を果たしたのは北欧のスウェーデンとフィンランドであった。今世紀に入ってからは中欧のドイツとオーストリアが主役である。これに対して日本は最も出遅れた国の一つに数えられているが、なぜこのような大差が生じたのであろうか。

先を走る上記の4カ国に共通して言えることは、木材の生産と加工を担う林業・林産業のなかに、その残廃材を利用するエネルギー生産のプロセスが巧みに組み込まれていることである。

よく知られているように、木材から得られる産物はきわめて多様である。見栄えのする建築部材や家具材を筆頭に、見えないところに使えわれる各種の構造用材があり、紙パルプやボード類の製造に使われる低質材、そして最後に燃料用の木質バイオマスがある。木材の使い方として理想的なのは、良いものから順々に取っていって、最後まで余すことなく使い尽すことだ。こうした使い方を木材の「カスケード利用」と呼んでおこう。

欧州の先進的な木材産業は、このカスケード利用を通して木質エネルギー事業の採算性を確保し、併せて木材産業自身の経営基盤を強化することに成功した。筆者が何年か前にオーストリアで調査した大型製材工場(写真1、2)を例にして、その仕組みを説明しよう。

(※全文:6,110文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

熊崎 実(くまざき・みのる)

 1935年岐阜県生れ。農林省林業試験場(現・森林総合研究所)林業経営部長、筑波大学農林学系教授、岐阜県立森林文化アカデミー学長を歴任。現在は、筑波大学名誉教授、日本木質ペレット協会会長、木質バイオマスエネルギー利用推進協議会会長。専門は国際森林資源論、農学博士。

 著書に『林業経営読本』(日本林業調査会)、『木質バイオマス発電への期待』(全国林業改良普及協会)『木質エネルギービジネスの展望』(同左)、『木質資源とことん活用読本』(編著、農文協)ほか。訳書に『日本人はどのように森をつくってきたのか』(C.タットマン、築地書館)、『樹木学』(P.トーマス、築地書館)ほか多数。

 木質バイオマスエネルギー利用推進協議会への相談は「info@w-bio.org」まで。

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