木質バイオマスのエネルギー利用は、国によってその進捗度に大差がある。先進国と呼ばれるOECD加盟国に限って言えば、最初に先導的な役割を果たしたのは北欧のスウェーデンとフィンランドであった。今世紀に入ってからは中欧のドイツとオーストリアが主役である。これに対して日本は最も出遅れた国の一つに数えられているが、なぜこのような大差が生じたのであろうか。
先を走る上記の4カ国に共通して言えることは、木材の生産と加工を担う林業・林産業のなかに、その残廃材を利用するエネルギー生産のプロセスが巧みに組み込まれていることである。