昨年の7月から始まったFITの制度で買取り価格を決めたのは経済産業省の「調達価格等算定委員会」である。その委員長を務めた植田和弘氏は、バイオマスには「コストなどのまとまったデータを持っている業界団体」がなく、「5種類の再生エネのうち価格設定で最も苦労したしたのはバイオマス」と言っておられた(朝日新聞、12年7月4日付夕刊)。
太陽光発電、風力、小水力、地熱などの分野では、然るべき業界団体が然るべきデータを算定委員会に提供していたのであろう。欧州のたいていの国には「バイオマス協会」があって、政府と連携しながらバイオマスエネルギーの普及活動を展開しているのだが、どうしたわけか日本にはそのような団体ができていなかった。FITの制度が発足する段になって、これではまずいということになり、ようやくわが国にもバイオマス協会の日本版とも言うべき「木質バイオマスエネルギー利用推進協議会」が誕生した。