日本文明を環境から解き明かす

多様性の日本と環境激変への進化

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元国土交通省河川局長として、日本のダム·河川事業に辣腕を振るい、退官後はベストセラー「日本の謎は『地形』で解ける」(PHP文庫)を執筆するなど、作家としても活躍する竹村 公太郎氏。竹村氏が環境ビジネスのために書き下ろすコラム連載の第29回目のテーマは「日本列島と生物多様性」。日本の豊かな自然が多様な生物を育んでいることについて語ってもらった。

日本列島の南と北

数年前の6月末、佐賀へ行った。梅雨に入っても雨がなかなか降らず、西日本全体が渇水というニュースが東京にも聞こえていた。長崎本線で佐賀平野に入ると、田植えが終わった直後の水が光る田んぼが広がっていた。佐賀駅に迎えに来てくれた友人に「佐賀の田植えは無事に終わったのか?」と聞くと、「渇水で苦労している。水が入らない田んぼもあるようだ」とのことであった。

佐賀へ行ったその翌日、別の用件で青森の弘前に行くこととなった。青森空港から津軽平野を車で走っていると、稲はもう50cm以上も伸びて、緑一面の田んぼが広がっていた。車を走らせながら弘前の知人に、九州の佐賀ではちょうど田植えが終わったというと、「本当ですか!」とびっくりしていた。青森の田植えは5月の連休前後に行う。6月後半の田植えなどは信じられないのだろう。

「九州は雪解け水がない。田植えは梅雨の雨に頼るので、どうしても6月になる」と説明すると納得してくれた。

多様性の日本列島

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