竹村氏が環境ビジネスのために書き下ろすコラム連載の第29回目は、衰退をたどる日本の水インフラ復活への提言。「流域共同体の再構築」という新しい考え方を解説する。
水インフラの崩壊
近代日本の水インフラは社会膨張に対応すべく整備された。そのため、現在の水インフラは無理を重ねたエネルギー消費型となっている。人口減少、高齢化、都市集中と地方過疎化が進み、将来の日本各地の水インフラの維持管理が苦境に向かっている。
近代都市化による共同体の衰退は、各地の水インフラシステムに最も厳しい姿で表れていく。流域の水インフラは、日本独自の共同体を産み育ててきた原点である。水インフラの衰退と崩壊は共同体の消滅宣告となる。
各地の水インフラの更新を行い、持続可能な水インフラを維持していくことが、各地の共同体の存続の可否を決めていく。共同体の苦境にどう対処していくのか。苦境に立った時、目を背けるのではなく苦境に正対するしかない。正対すれば方向はみえてくる。
行政の縦割りの落とし穴
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