「CO2削減にどこから着手すればよいだろうか」、「仕入先に協力を求めづらい」、「削減に難航してしまっている」。今回は、このような課題や悩みに陥らないために、CO2排出データをどのように分析するかの手法について、数多くの企業課題解決を成功に導いてきたプロレド・パートナーズの環境コンサルティングセクターリーダー石塚遼氏に道案内してもらう。(連載第3回、バックナンバーはこちら)
前回はCO2排出実績データの収集について、スコープ1~3の概要とスコープ3算定時の注意点を紹介した。今回は、算定後のスコープ1~3のデータをどのように分析をして次のステップに繋げるか例を解説する。
スコープ1・2はパレート分析でボリュームゾーンを抑える
データを収集できたら、どこから削減すれば脱炭素経営を効率よく進められるかを分析する。その際は、項目ごとの順位が確認しやすい「パレート分析」という手法が有効だ。何らかの要因の80%は、全体の20%の要素によって引き起こされるというパレートの法則によって裏付けられた分析手法である。
スコープ1・2はこのパレート分析を用いることで、優先課題を特定しやすい。その理由と具体例は以下のとおりである。