連載「これから始めるリーダーのための脱炭素ステップ解説」の第5回。「実際に脱炭素をどう進めるか」「脱炭素にはどのような手法があるのだろうか」。今回はCO2排出量削減の具体的な行動計画書となる「脱炭素ロードマップ」作成のポイントについて解説。数多くの企業課題解決を成功に導いてきたプロレド・パートナーズの環境コンサルティングセクターリーダー石塚遼氏に道案内してもらう。(バックナンバーはこちら)
前回は脱炭素の取り組みに向けた情報開示のポイントについて解説した。今回は、実際に脱炭素をどう進めるか、CO2排出量削減を具体的に実行するための行動計画書となる「脱炭素ロードマップ」作成のポイントについて解説する。
検討順序とその具体的な中身
脱炭素ロードマップの作成にあたり、避けようのない事実がある。それは「脱炭素のためには投資が必要」ということだ。コスト削減や競争力強化などの企業価値向上に繋がる脱炭素に無償で取り組むことは難しい。そのため、いつ、何に、いくら投資するのか、予算と計画を立てて行動に移していく必要がある。その指針となる脱炭素ロードマップをどのように作るべきか。筆者は(1)運用改善、(2)設備投資、(3)グリーンエネルギー(※)調達や環境証書の購入の順で検討していくことを推奨する。それぞれの項目について検討する内容は以下の通りだ。