「大企業ではない自社が脱炭素に取り組む必要性について、改めて経営層に理解してもらいたい」、「脱炭素に取り組まないことに、何の問題があるのか」、「脱炭素に取り組むことを収益増のチャンスにできないか」。経営層、経営企画部門、環境・サステナビリティ推進部門などで、こうした課題を持つ、これから脱炭素を始めるリーダーのために、行動すべきステップを解説する本連載は「現状分析編」に移る。数多くの企業課題解決を成功に導いてきたプロレド・パートナーズの環境コンサルティングセクターリーダー石塚遼氏に道案内してもらう。(連載第9回、バックナンバーはこちら)
これまでは、新しく脱炭素推進のリーダーや担当になった人たちが進めていくべき各ステップの概要を解説してきた。その中で、各ステップについてのより詳細な情報を求める反響をもらったため、それに応える形で、これから解説していく。今回は、経営層レベルでの必要性認識に関するステップの詳細だ。「経営層に脱炭素の重要性を十分に理解してもらえない」「なんとなく考えているだけで進められない」状態から脱するために、経営層に脱炭素に取り組む意義を理解してもらう解説する。
脱炭素に取り組まないことによる経営的リスクと実態
連載第1回の記事『「顧客から急の要請が!」事前に脱炭素を経営層に理解してもらうには』にて、「要請を受けてからではほとんど手遅れ」と書いていたが、そもそも、なぜ要請が来るようになったのか。 経営層に脱炭素を伝える前提知識として理解する必要があるので、その背景から改めて考えよう。