連載「これから始めるリーダーのための脱炭素ステップ解説」の第6回。「脱炭素を実行する上で、投資対効果はどうだろうか」、「我が社の経営計画と合致するものになっているだろうか」。今回は脱炭素ロードマップを使用して経営層に、適切な判断をしてもらうためのポイントを解説。数多くの企業課題解決を成功に導いてきたプロレド・パートナーズの環境コンサルティングセクターリーダー石塚遼氏に道案内してもらう。バックナンバーはこちら)
前回は、脱炭素のための具体的な行動計画書となる「脱炭素ロードマップ」の作成について解説した。今回は、作成したロードマップをもとに経営層に提言し、投資対効果や経営計画との比較し、実行について適切に意思決定をしてもらうためのポイントを解説する。
コスト削減が期待できる施策と期待できない施策
第5回で解説した脱炭素を実現するためのアプローチのうち、業務の運用改善や設備更新はコストメリットが高く、経営層が意思決定をしやすい傾向がある。一方で、グリーンエネルギー調達や環境証書の購入はコストがかかり、継続的に費用が発生するのに手元に資産(設備機器など)が残らないため、経営層が意思決定をしづらい傾向があると言える。
これらの傾向を踏まえて、コスト削減が期待できる施策とそうでない施策に分け、脱炭素への投資に関する費用対効果を示す提言の準備をすることが、経営層の適切な判断を得るのに効果的である。