「社内や取引先に理解・協力が必要な脱炭素の計画をどう作るか」「作った計画をどのように実行していけば、実現することができるか」「効果検証・対外開示を進める上でポイントは何があるだろうか」。経営層、経営企画部門、環境・サステナビリティ推進部門などで、こうした課題を持つ、これから脱炭素を始めるリーダーのために、行動すべきステップを解説する本連載は第3パート「計画作り編」に移る。引き続き、数多くの企業課題解決を成功に導いてきたプロレド・パートナーズの環境コンサルティングセクターリーダー石塚 遼氏に道案内してもらう。(連載第18回、バックナンバーはこちら)
今回より、脱炭素ロードマップ作成の意義や効力、構成要素などについて解説していく。効果的な脱炭素施策の実行や効果検証のためには、ロードマップの作成が重要となるからだ。昨今、脱炭素に関する施策実行をする企業・団体は以前に比べて大幅に増えてきている。脱炭素ロードマップを作成するにあたっての参考してもらいたい。
まずは、脱炭素ロードマップを作成することの意義や社内外に対してどのような効力があるのかを当社の実際の経験に基づき解説する。
効力1:脱炭素の実行に向けた、経営陣のコミットメントを引き出せる
脱炭素ロードマップを作成するということは、「2030年までに46%削減」「2050年までにカーボンニュートラル」といった目標の実現に向けた行動計画を立てることである。行動の内容には、地道な作業や、時には痛みを伴うドラスティックな取り組みも含まれる。