「取引先から急に脱炭素計画書の提出を求められてしまった」、「経営層に脱炭素経営の必要性をどうやったら理解してもらえるか」、「いざ始めようと思っても何をどうやって進めるべきか分からない」。経営層、経営企画部門、環境・サステナビリティ推進部門などで、こうした課題や悩みを持つ、これから脱炭素を始めるリーダーのために行動すべきステップを解説する新連載。成果にこだわり数多くの企業課題解決を成功に導いてきたプロレド・パートナーズの環境コンサルティングセクターリーダー石塚遼氏に道案内してもらう。(連載第1回)
2020年10月の所信表明演説で菅義偉首相(当時)がカーボンニュートラル宣言を行って以来、国内の大手企業は積極的に脱炭素に取り組んでいる。例えば、トヨタは2026年までにEVを世界で年間150万台販売する目標を発表しており、さらには直接取引を行うサプライヤーにCO2排出量を前年比3%減らす要請を出すなど積極的な活動を行っている。
昨今、脱炭素は大企業だけでなく中堅、中小企業も対策を進めていく必要性が強まっており、皆さんの会社でも検討を始めようとしているのではないだろうか。
そこで、この連載では「これから始めるリーダーのための脱炭素ステップ解説」として、企業の脱炭素リーダーが行うべきステップを6つに分けて紹介していく。
第1回は「経営層レベルでの脱炭素経営 の必要性認知」のステップを説明する。
「要請」を受けてからではほとんど手遅れ
「1ヵ月以内に脱炭素ロードマップを提出してくれ」。大口取引先から急の要請を受けてから策定したのでは十分なものを作ることはできない。事前に経営層も含めて準備しておくことが肝心だ。