脱炭素技術に新星が現れた。カリフォルニア工科大学のスピンオフ企業キャプチュラは2021年設立、地球表面の70%を占める海洋を活用することで、大気中のCO2を低コストで除去する施設の建設を目指している。
海水には大気からCO2を吸収する性質がある。同社の技術、DOC(ダイレクト・オーシャン・キャプチャー)はこれを利用する。まず、ろ過した海水をプラント内に引き込み、再生可能エネルギーを使って海水を電気処理しCO2を除去する。取り出したCO2は永久的に隔離されるか炭素製品に活用される。CO2を含まない海水は海へ戻され、再びCO2を吸収するという流れだ。海水を海に戻すため、海洋生物への影響は最小限に抑えることができるという。